データ入稿が無事に完了したら、いよいよ印刷会社での作業が始まります。
でも、入稿したデジタルデータが、一体どうやって紙の印刷物になるのでしょうか?
その鍵を握るのが、印刷の最終工程とも言える「RIP処理(リップしょり)」です。
今回は、この専門用語「RIP処理」とは何か、そしてデータが印刷機で印刷されるまでの簡単な流れを、分かりやすく解説します!
この記事の目次
RIPっていうのはね、パソコンで作ったデザインデータを、印刷機が理解できる言葉に翻訳してくれる通訳さんみたいなものなんだ!
RIPとは Raster Image Processor(ラスター・イメージ・プロセッサー)の略です。
簡単に言うと、IllustratorやPhotoshopなどで作成されたベクトルデータや文字情報、画像情報などを、印刷機が出力できる形式のビットマップデータ(点の集まり)に変換する処理のことです。
もう少し詳しく見てみましょう。
新聞の写真をよーく見ると、点々でできてるでしょ?あの点々を作るのもRIPのお仕事なんだよ。
このRIP処理によって初めて、デジタルデータが物理的な「版(はん)」に出力されたり、デジタル印刷機で直接印刷されたりする準備が整うのです。
ここでは、一般的な商業印刷で多く用いられる「オフセット印刷」を例に、データがRIP処理を経て印刷されるまでの流れを見てみましょう。
お客様からお預かりした印刷データを、印刷会社がチェックします。(フォントのアウトライン、画像のリンクや解像度、塗り足し、カラーモードなど)
チェックが完了したデータをRIPで処理し、CMYK各色のビットマップデータに変換・分版し、網点を生成します。
RIP処理されたデータをもとに、CTP (Computer To Plate) という機械を使って、CMYK各色の印刷用の「版」を作成します。版は薄いアルミ製の板のようなものです。
作成されたCMYKの4枚の版をオフセット印刷機にセットします。それぞれの版に対応するインクが塗られ、一度ゴム製のブランケットに転写された後、紙に印刷されます。この「版に付いたインクを一度転写(オフ)してから紙に印刷(セット)する」ことから「オフセット印刷」と呼ばれます。
印刷された紙を乾燥させ、必要に応じて断裁、折り、製本、表面加工などの後加工を施します。
オンデマンド印刷の場合は、CTP刷版の工程がなく、RIP処理されたデータから直接デジタル印刷機で出力されることが多いです。
普段何気なく目にしている印刷物も、こんな複雑な工程とRIP処理という重要な技術を経て作られているんですね。
この知識が、あなたのデザインデータ作成の一助となれば幸いです。
次回は、「【色味を確認!】印刷の「色校正」とは?種類と選び方のポイント」について解説します。思った通りの色で印刷するための大切なステップです!お楽しみに!
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