1-9【色味を確認!】印刷の「色校正」とは?種類と選び方のポイント
「せっかくこだわって作ったデザイン、イメージ通りの色で印刷したい!」
そう思うのは当然ですよね。でも、モニターで見た色と実際の印刷物の色が完全に一致するとは限りません。
そんな不安を解消し、色の仕上がりを事前に確認するための大切な工程が「色校正(いろこうせい)」です。
今回は、この「色校正」とは何か、主な種類とそれぞれの特徴、そしてどんな場合にどの校正を選べば良いのか、そのポイントを解説します!
色校正って何?なぜ必要なの?
色校正っていうのはね、本番の印刷をする前に、試し刷りをして色味をチェックすることだよ!これで『思ってた色と違う~!』ってなるのを防げるんだ。
補足説明
色校正とは、本格的な印刷(本刷り)に入る前に、実際に使用する紙やインク、またはそれに近い条件で試し刷りを行い、色調、文字、画像の再現性などを確認する作業のことです。
なぜ色校正が必要なのでしょうか?
- モニターと印刷物の色の違いを確認するため
モニターは光で発色するRGB、印刷はインクで表現するCMYKと、色の表現方法が根本的に異なります。また、モニターの種類や設定、見る環境によっても色の見え方は変わります。そのため、モニター上の色がそのまま印刷されるとは限りません。
- 色の認識のズレを防ぐため
同じデータを見ていても、人によって色の感じ方や「このくらいの色」という認識には差があります。色校正という「実物」を介して、発注者と印刷会社の間で色の共通認識を持つことができます。
- 本刷りでの失敗リスクを低減するため
大量部数を印刷する場合、本刷り後に「色がイメージと違う!」となっても、刷り直しには大きなコストと時間がかかります。色校正で事前に問題点を発見・修正することで、このようなリスクを大幅に減らせます。
特に、コーポレートカラーなど厳密な色が求められる場合や、写真の色再現にこだわりたい場合、高価な印刷物を作成する場合には、色校正の重要性が高まります。
主な色校正の種類と特徴
色校正にはいくつかの種類があり、それぞれ精度やコスト、納期が異なります。代表的なものをいくつかご紹介します。
項目 |
簡易校正(DDCP) |
本紙校正 |
本機校正 |
特徴 |
専用のインクジェットプリンターなどで、比較的安価かつ迅速に出力できる校正 |
実際に本刷りで使用するのと同じ紙(本紙)に、校正専用の印刷機で印刷する校正 |
実際に本刷りで使用する印刷機、紙、インクを使って校正刷りを行う方法 |
色再現性 |
本刷りと完全に同じ色再現は難しい |
簡易校正より本番に近い色再現 |
最も本刷りに近い色再現が可能 |
コスト |
安価 |
中程度 |
高価 |
時間 |
早い |
中程度 |
時間がかかる |
紙の質感 |
本刷りとは異なる場合が多い |
本刷りと同じ紙で確認可能 |
本刷りと同じ紙で確認可能 |
特色対応 |
基本的に不可 |
印刷方式により制限あり |
対応可能 |
加工確認 |
不可 |
制限あり |
ニスなどの加工も確認可能 |
メリット |
|
- 本刷りと同じ紙で確認可能
- 紙の色や厚み、風合いの影響を確認しやすい
|
- 最も本刷りに近い色再現
- 特色やニスなどの加工も確認可能
|
デメリット |
- 本刷りと完全に同じ色再現は難しい
- 用紙の質感も本刷りとは異なる場合がある
- 特色の再現は基本的に不可
|
- 簡易校正よりコストと時間がかかる
- 印刷方式は本刷りとは異なるため、色再現は本機校正には劣る
|
|
向いているケース |
- 予算を抑えたい
- 納期が短い
- おおまかな色味やデザインの確認
|
- 紙の質感も確認したい
- 簡易校正よりは本番に近い状態で色味を確認したい
|
- 色に非常に厳密な精度が求められる
- 美術品カタログ、企業のブランドカラーなど
- 高額な印刷物
- 大量部数の印刷前の最終確認
|
1.簡易校正(かんいこうせい) / DDCP(ダイレクト・デジタル・カラー・プルーフィング)
- 特徴
専用のインクジェットプリンターなどで、比較的安価かつ迅速に出力できる校正です。本刷りの印刷機や紙とは異なる場合が多いですが、全体的な色味やレイアウト、文字の確認には手軽で有効です。最も一般的な色校正方法の一つです。
- メリット
安価、早い。
- デメリット
本刷りと完全に同じ色再現は難しい。用紙の質感も本刷りとは異なる場合がある。特色(CMYK以外の特別色)の再現は基本的に不可。
- 向いているケース
予算を抑えたい、納期が短い、おおまかな色味やデザインの確認がしたい場合。
2.本紙校正(ほんしこうせい)
- 特徴
実際に本刷りで使用するのと同じ紙(本紙)に、校正専用の印刷機で印刷する校正です。紙の質感やインクの乗り具合が本番に近いため、簡易校正よりも仕上がりイメージを掴みやすくなります。
- メリット
本刷りに同じ紙で確認できるため、紙の色や厚み、風合いが色味に与える影響を確認しやすい。
- デメリット
簡易校正よりコストと時間がかかる。印刷方式は本刷りとは異なるため、色再現は本機校正には劣る。
- 向いているケース
紙の質感も確認して、簡易校正よりは本番に近い状態で色味を確認したい場合。
3.本機校正(ほんきこうせい)
- 特徴
実際に本刷りで使用する印刷機、紙、インクを使って校正刷りを行う方法です。最も本番の印刷に近い仕上がりを確認できますが、印刷機を実際に動かすため、コストが最も高く、時間もかかります。
- メリット
最も本刷りに近い色再現が可能。特色やニスなどの加工も確認できる場合がある。
- デメリット
高価、時間がかかる。
- 向いているケース
色に非常に厳密な精度が求められる場合(美術品カタログ、企業のブランドカラーなど)、高額な印刷物、大量部数の印刷前の最終確認。
どの色校正を選べばいいの?~選び方のポイント~
どの色校正を選ぶべきかは、以下の要素を考慮して総合的に判断しましょう。
- 予算
校正にかけることのできる予算はどれくらいか。
- 納期
校正にどれくらいの時間を割けるか。
- 色の重要度
仕上がりの色にどれだけ厳密さが求められるか。
- 印刷物の種類・目的
写真集なのか、チラシなのか、社名ロゴの色なのか。
- 印刷部数
大量部数で刷り直しリスクが高いか。
- 使用する紙や特色の有無
特殊な紙や特色インクを使用するか。
迷ったら、まずは印刷会社に相談してみましょう。
目的や予算、納期を伝えれば、最適な校正方法を提案してくれるはずです。
色校正は、理想の印刷物を作るための重要なステップです。
それぞれの特徴を理解し、目的に合った校正方法を選ぶことで、「こんなはずじゃなかった!」という失敗を防ぎ、満足のいく仕上がりを目指しましょう。
次回は、「【校正刷りチェックポイント】見落としを防ぐ!ココを確認しよう」をお届けします。色校正紙が手元に届いたら、どこをどう見れば良いのか、具体的なチェックポイントを解説します!お楽しみに!
この記事の監修者
印刷営業
吉留 隆
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