前回はA判・B判という「規格サイズ」について解説しましたが、印刷会社とやり取りしていると「菊判(きくばん)」や「四六判(しろくばん)」という言葉を聞いたことはありませんか?
A判・B判とはまた違うの?なんだか難しそう…。
大丈夫だよ!これは印刷物を効率よく作るための、とっても合理的な紙のサイズなんだ。今日はこの、印刷業界のキホンとも言える菊判と四六判について、わかりやすく解説していくね!
この記事の目次

まず「菊判」は、A判系列の印刷物(A4チラシやA5冊子など)を作るために使われる、元の大きな紙のことだよ。
へぇ~!でも、どうして「菊」っていう名前なの?
菊判の呼び名の由来は諸説ありますが、明治期に新聞用紙として米国規格(25×37インチ=636×939mm)の紙が取り入れられ、PRのために「菊印」として売り出されたことから「菊判」と呼ばれるようになった、という説が有力です。
菊判の全紙サイズは「636mm × 939mm」。この大きな紙に、A1、A2、A3…といったA判の各サイズを効率よく面付けして印刷し、最後に断裁で仕上げることができるんだ。
| 菊判からの取り方 | 取れるA判サイズ |
|---|---|
| 菊全判(636×939mm) | A1が1枚、A2が2枚、A3が4枚、A4が8枚… |
| 菊半裁(469×636mm) | A2が1枚、A3が2枚、A4が4枚… |
| 菊四裁(318×469mm) | A3が1枚、A4が2枚… |
| 菊八裁(234×318mm) | A4が1枚… |

それに対して「四六判」は、B判系列の印刷物(B5の雑誌やB6の書籍など)を作るために使われる紙のことだよ。
今度は数字だね!
四六判の由来も諸説ありますが、もともと美濃判が広まり、さらにその約8倍の大きさの紙(大八つ判)が普及しました。これを32面に断裁して化粧断ちすると、約「4寸×6寸」相当の本の判型になることから「四六判」と呼ばれるようになった、という説明があります。
四六判の全紙サイズは「788mm × 1091mm」。こちらはB判の各サイズを効率よく面付けするために最適なサイズになっているんだ。
| 四六判からの取り方 | 取れるB判サイズ |
|---|---|
| 四六全判(788×1091mm) | B1が1枚、B2が2枚、B3が4枚、B4が8枚… |
| 四六半裁(545×788mm) | B2が1枚、B3が2枚、B4が4枚… |
| 四六四裁(394×545mm) | B3が1枚、B4が2枚、B5が4枚… |
| 四六八裁(272×394mm) | B4が1枚、B5が2枚… |
でも、どうしてわざわざ菊判や四六判が必要なの?最初からA1やB1の紙に印刷すればいいんじゃない?
とっても良い質問だね!その理由は、印刷に欠かせない「塗り足し」という考え方にあるんだ。

紙のフチまでデザインがある印刷物を作る時、仕上がりサイズのままデータを作ると、断裁のズレで意図しない白いフチが出てしまうことがあります。
それを防ぐために、データは仕上がりサイズより3mmほど外側まで大きく作り、その部分までしっかり印刷します。これを「塗り足し」と言います。
そして、塗り足し部分を含めて印刷したあと、本来の仕上がりサイズに断裁して完成させるんだ。
つまり、A4サイズ(210×297mm)ピッタリの紙には、A4のフチなし印刷はできない、ということ。塗り足し分を含めても余裕のある、少し大きな紙が必要なんだ。そのために、菊判や四六判が使われるんだよ!
なるほどー!
・A判の印刷物には「菊判」
・B判の印刷物には「四六判」
って覚えておけばいいんだね!「塗り足し」のために必要な、印刷業界の知恵だったんだ!
その通り!この知識があると、印刷会社とのやり取りがグッとスムーズになりますよ。
デザインデータを作成する際は、必ずこの「塗り足し」を意識してくださいね。
次回は、「【ツルツル?ザラザラ?】コート紙とマットコート紙の違いとは?」をお届けします。紙の質感の世界を一緒に探検しましょう!お楽しみに!
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