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2-2.【印刷業界の常識】「菊判」「四六判」って何?~効率的な面付けの秘密~

印刷
2025.10.01

前回はA判・B判という「規格サイズ」について解説しましたが、印刷会社とやり取りしていると「菊判(きくばん)」「四六判(しろくばん)」という言葉を聞いたことはありませんか?

A判・B判とはまた違うの?なんだか難しそう…。

大丈夫だよ!これは印刷物を効率よく作るための、とっても合理的な紙のサイズなんだ。今日はこの、印刷業界のキホンとも言える菊判と四六判について、わかりやすく解説していくね!

「菊判」とは? ~A判サイズの印刷物を刷るための紙~

まず「菊判」は、A判系列の印刷物(A4チラシやA5冊子など)を作るために使われる、元の大きな紙のことだよ。

へぇ~!でも、どうして「菊」っていう名前なの?

明治時代に日本が輸入した紙の商標に「菊の紋」が使われていたことから、「菊判」と呼ばれるようになった、という説が有力です。

菊判の全紙サイズは「636mm × 939mm」。この大きな紙から、A1、A2、A3…といったA判の各サイズを効率よく切り出す(面付けする)ことができるんだ。

菊判からの取り方取れるA判サイズ
菊全判(636×939mm)A1が2枚、A2が4枚、A3が8枚、A4が16枚…
菊半裁(469×636mm)A2が2枚、A3が4枚、A4が8枚…
菊四裁(318×469mm)A3が2枚、A4が4枚…
菊八裁(234×318mm)A4が2枚…

「四六判」とは? ~B判サイズの印刷物を刷るための紙~

それに対して「四六判」は、B判系列の印刷物(B5の雑誌やB6の書籍など)を作るために使われる紙のことだよ。

今度は数字だね!

昔の「美濃判」という紙を8つ切りにしたものが、だいたい縦 横が四寸×六寸だったから、という説があるよ。

四六判の全紙サイズは「788mm × 1091mm」。こちらはB判の各サイズを効率よく面付けするために最適なサイズになっているんだ。

四六判からの取り方取れるB判サイズ
四六全判(788×1091mm)B2が4枚、B3が8枚、B4が16枚、B5が32枚…
四六半裁(545×788mm)B3が4枚、B4が8枚、B5が16枚…
四六四裁(394×545mm)B4が4枚、B5が8枚…
四六八裁(272×394mm)B5が4枚…

なぜ規格と違うサイズが必要?「塗り足し」の秘密

でも、どうしてわざわざ菊判や四六判が必要なの?最初からA1やB1の紙に印刷すればいいんじゃない?

とっても良い質問だね!その理由は、印刷に欠かせない「塗り足し」という考え方にあるんだ。

紙のフチまでデザインがある印刷物を作る時、仕上がりサイズのままデータを作ると、断裁のズレで意図しない白いフチが出てしまうことがあります。

それを防ぐために、データは仕上がりサイズより3mmほど外側まで大きく作り、その部分までしっかり印刷します。これを「塗り足し」と言います。
そして、塗り足し部分を含めて印刷したあと、本来の仕上がりサイズに断裁して完成させるんだ。

つまり、A4サイズ(210×297mm)ピッタリの紙には、A4のフチなし印刷はできない、ということ。塗り足し分を含めても余裕のある、少し大きな紙が必要なんだ。そのために、菊判や四六判が使われるんだよ!

まとめ

なるほどー!
A判の印刷物には「菊判」
B判の印刷物には「四六判」
って覚えておけばいいんだね!「塗り足し」のために必要な、印刷業界の知恵だったんだ!

その通り!この知識があると、印刷会社とのやり取りがグッとスムーズになりますよ。
デザインデータを作成する際は、必ずこの「塗り足し」を意識してくださいね。

次回は、「【ツルツル?ザラザラ?】コート紙とマットコート紙の違いとは?」をお届けします。紙の質感の世界を一緒に探検しましょう!お楽しみに!

この記事の監修者
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印刷営業

吉留 隆

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