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1-11.【印刷の必須知識】仕上がりキレイ!「トンボ(トリムマーク)」の役割と正しい付け方

印刷
2025.08.06

印刷データを作成する上で、絶対に欠かせないものの一つが「トンボ(トリムマーク)」です。
「トンボって何?」「どうして必要なの?」「Illustratorでの付け方は?」
そんな疑問をお持ちの初心者さんのために、今回はトンボの基本から正しい付け方まで、分かりやすく解説します!

これさえ押さえれば、あなたのデザインもプロの仕上がりに一歩近づきますよ!

トンボ(トリムマーク)とは?その重要な役割

トンボっていうのはね、印刷した後にどこで紙をカットするか、その目印になる線のことだよ!虫のトンボに形が似てるから、そう呼ばれてるんだって!

補足説明
トンボ(トリムマークまたはレジストレーションマークとも呼ばれます)は、印刷物を仕上がりサイズに正確に断裁するために必要な印です。
印刷物は、まず仕上がりサイズよりも大きな紙に印刷され、その後、トンボを目印にして指定のサイズに化粧断ち(仕上げの断裁)されます。

トンボには主に以下の種類と役割があります。

  • 内トンボ(仕上がりトンボ)
    四隅にある、内側の短い線です。この線が仕上がりサイズの内側を示し、この線で断裁されます。
  • 外トンボ(塗り足しトンボ)
    内トンボの外側にある線で、通常内トンボから3mm外側に配置されます。これは「塗り足し」の範囲を示すためのものです。フチなし印刷の場合、この外トンボまで色や画像を伸ばしておく必要があります。
  • センタートンボ(中心トンボ)
    仕上がりサイズの中央を示す十字のマークです。印刷時の位置合わせや、製本時の中心合わせなどに使われます。

これらのトンボが正しく付けられていないと、

  • 仕上がりサイズがズレてしまう。
  • 塗り足しが足りず、断裁時に白いフチが出てしまう。
  • 印刷位置がズレて、デザインが崩れてしまう。

といったトラブルの原因になります。

なぜトンボが必要なの?

大きな紙にまとめて印刷して、後からカットする方が効率がいいでしょ?その時の『ここを切ってね!』っていう正確なガイドがトンボなんだ。

補足説明
印刷会社では、大きな印刷用紙に複数のデザインを並べて(面付けして)一度に印刷することがよくあります。その後、一枚一枚の仕上がりサイズに断裁していきます。
この断裁作業を正確に行うために、トンボは不可欠なガイドラインとなるのです。
また、多色刷りの場合、CMYK各色の版がズレていないか(見当合わせ)を確認するためにも、トンボが重要な役割を果たします。各色のトンボがピッタリ重なっていれば、見当が合っている証拠です。

Illustratorでの正しいトンボの付け方

Adobe Illustratorでトンボを作成する代表的な方法を2つご紹介します。

方法1:オブジェクトメニューから作成(推奨)

これが最も一般的で確実な方法です。

1.仕上がりサイズの長方形オブジェクトを作成します。

例えばA4サイズ(210mm × 297mm)なら、そのサイズの長方形を描きます。この長方形が仕上がり位置の基準となります。
線や塗りは「なし」でOKです。

2.作成した長方形オブジェクトを選択します。

3.メニューバーの「オブジェクト」→「トリムマークを作成」を選択します。

これで、選択した長方形のサイズに合わせて、自動的に内トンボと外トンボ(3mm幅の塗り足し分を含むことが多い)が作成されます。

ポイント
この方法で作成されたトンボは、それ自体がオブジェクトとして扱われます。
古いバージョンのIllustratorでは「フィルタ」メニューの中に「トリムマーク」があったり、「効果」メニューの「トリムマーク」を使う場合もありますが、現在の推奨は「オブジェクト」→「トリムマークを作成」です。

方法2:印刷設定でトンボを付ける(PDF保存時など)

Illustratorから直接印刷する場合や、PDFとして保存する際にトンボを付加する方法です。

1.メニューバーの「ファイル」→「プリント」(または「別名で保存」でPDFを選択し、その後の設定画面)を開きます。

2.左側のメニューから「トンボと裁ち落とし」を選択します。

3.「トンボ」セクションの「すべてのトンボ」にチェックを入れます。

必要に応じて「日本式トンボ」を選択することもできます。
「裁ち落とし」の値を設定することで、塗り足し領域も指定できます(通常、上下左右に3mm以上)。

4.設定後、印刷またはPDFを保存します。

ポイント
この方法で付けられたトンボは、Illustratorのドキュメント上には表示されず、印刷時やPDF書き出し時にのみ付加されます。
データ入稿の際は、方法1でオブジェクトとしてトンボを作成しておく方が、印刷会社側で確認しやすく、トラブルが少ない傾向にあります。

トンボ作成時の注意点

  • トンボの色は「レジストレーション」で
    トンボはCMYK全ての版に出力される必要があるため、色は特色の「レジストレーション」(C100/M100/Y100/K100)で作成するのが基本です。
  • 塗り足しを忘れずに
    トンボを付けたら、必ず仕上がり線の外側(外トンボのラインまで)塗り足しを作成しましょう。
  • トンボはアートボードの外側に
    トンボや塗り足しは、仕上がりサイズを示すアートボードの外側に配置されるようにします。

トンボの役割と正しい付け方、ご理解いただけましたか?
データ入稿前の最終チェックで、トンボが正しく設定されているか、塗り足しは十分か、必ず確認するようにしましょう!

次回は、「【フチなし印刷のキホン】「塗り足し」って何?なぜ必要なの?」を詳しく解説します。トンボと密接に関わる重要な知識です!お楽しみに!

この記事の監修者
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印刷営業

吉留 隆

プロフィール

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    • 株式会社米谷は大阪で70年以上の経験を誇り、あらゆる印刷物の対応実績があります。
    • 初めての方でも、豊富なノウハウでサポートしますので、安心してお任せいただけます。
  2. ご要望に応じた柔軟な提案力
    • デザインから印刷、仕上げまで、お客様のニーズに合わせてご提案いたします。
    • 「こんな印刷、できるのかな?」という疑問にも、専門知識を持ってお応えします。
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