大阪 印刷 米谷印刷

1-3.【印刷トラブル回避】Illustratorで画像を「埋め込み」するメリットと方法

印刷
2025.06.04

前回は「アウトライン化」について解説しましたが、
データ入稿でよくあるトラブルのもう一つが、「画像のリンク切れ」です。

「配置したはずの画像が表示されない!」
「×印が出ている…」

こんな事態を防ぐために重要なのが、Illustratorの「画像埋め込み」機能です。
今回は、画像の埋め込みとは何か、そのメリットと簡単な方法をご紹介します。

画像の「リンク」と「埋め込み」って何が違うの?

Illustratorでデザインに画像を使用する場合、主に2つの方法があります。

リンク配置(デフォルト)

画像ファイルは元の場所に置いたまま、Illustratorのファイルには「この場所にあるこの画像を表示してね」という情報だけを記録する方法です。

メリット

  • Illustratorのファイルサイズが軽くなる
  • 元の画像を編集すると、Illustrator上の画像も自動(または手動で)更新される

デメリット

  • 画像ファイル自体を移動したり、名前を変更したり、削除したりすると、リンクが切れて表示されなくなる
  • 入稿時に画像ファイルも一緒に送る必要がある

埋め込み配置

画像ファイルそのものをIllustratorのファイル内に取り込んでしまう方法です。

メリット

  • Illustratorファイルさえあれば、どこでも画像が正しく表示される
  • 入稿時に画像ファイルを別途用意する必要がない

デメリット

  • Illustratorのファイルサイズが大きくなる
  • 元の画像を編集しても、埋め込んだ画像は自動更新されない(再度埋め込み直す必要がある)

リンクは画像の『住所』を教えてあげる感じ、埋め込みは画像をファイルの中に『引っ越し』させちゃう感じかな?

入稿の時は、迷子にならないように『埋め込み』が安心

なぜ「埋め込み」が推奨されるの?

印刷会社に入稿するデータでは、多くの場合「画像の埋め込み」が推奨されます。
主な理由は以下の通りです。

理由1:リンク切れによる画像表示エラーを防げる

これが最大の理由です。リンク画像の場合、画像ファイルそのものを入稿し忘れたり、ファイル名が変わっていたり、フォルダ階層が変わっていたりするだけで、印刷会社側で画像を表示できません。

埋め込みなら、aiファイル(またはepsファイルなど)単体で画像情報が完結しているので安心です。

理由2:データ管理がシンプルになる

入稿するファイルがIllustratorファイルだけで済むため、多数のリンク画像ファイルを管理する手間が省けます。

うっかり画像を入れ忘れちゃって、再入稿…なんて悲しいよね。埋め込みなら、その心配がグッと減るよ!

簡単!Illustratorでの画像埋め込みの手順

Illustratorで画像を埋め込むのはとても簡単です。

方法1:配置時に埋め込む

1.メニューバーの「ファイル」→「配置」を選択します。
2.配置したい画像ファイルを選択します。
3.ダイアログボックスの下部にある「リンク」のチェックを外します。
 (チェックが入っているとリンク配置、チェックが外れていると埋め込み配置になります)
4.「配置」ボタンをクリックします。

方法2:既にリンク配置した画像を埋め込む

1.埋め込みたいリンク画像を選択します。
2.ウィンドウ上部のコントロールパネルに表示されるファイル名の横(または「ウィンドウ」メニュー → 「リンク」で表示されるリンクパネル)にある「画像を埋め込み」ボタン(アイコンは四角の中に山と太陽のようなマーク)をクリックします。

  • 複数の画像を選択して一括で埋め込むことも可能
  • リンクパネルのオプションメニューから「画像を埋め込み」を選択可能

埋め込まれているか確認する方法

「ウィンドウ」メニュー → 「リンク」でリンクパネルを表示します。

画像名の横に何もアイコンが表示されていなければ、その画像は埋め込まれています。
(リンク画像の場合は鎖のアイコンや、問題がある場合は三角の警告アイコンなどが表示されます。)

埋め込みの際の注意点

ファイルサイズが大きくなる

高解像度の画像を多数埋め込むと、Illustratorファイルのサイズが非常に大きくなることがあります。

あまりにもファイルサイズが大きくなりすぎる場合は、印刷会社に相談し、リンクでの入稿が可能か確認するのも一つの手です(その場合は、全てのリンクファイルを正しく添付する必要があります)。

元画像の編集は反映されない

埋め込み後に元画像ファイルをPhotoshopなどで編集しても、Illustrator上の埋め込み画像は自動で更新されません。元画像を編集した場合は、再度配置し直して埋め込むか、リンクパネルから「リンクを再設定」や「リンクを更新」などの操作が必要です。

これで画像の埋め込みもバッチリですね!


アウトライン化」と「画像の埋め込み」は、スムーズなデータ入稿のための二大巨頭と言えるかもしれません。

しっかりマスターして、トラブル知らずのデータ作成を目指しましょう!

次回は、「【色の基本】印刷物とモニター、色が違うのはなぜ?「RGB」と「CMYK」を理解しよう」について解説します。お楽しみに!

この記事の監修者
監修者の画像

印刷営業

吉留 隆

プロフィール

印刷営業歴15年以上のベテラン

印刷物に関するお悩みも安心してご相談ください!

  1. 創業70年以上の信頼と実績
    • 株式会社米谷は大阪で70年以上の経験を誇り、あらゆる印刷物の対応実績があります。
    • 初めての方でも、豊富なノウハウでサポートしますので、安心してお任せいただけます。
  2. ご要望に応じた柔軟な提案力
    • デザインから印刷、仕上げまで、お客様のニーズに合わせてご提案いたします。
    • 「こんな印刷、できるのかな?」という疑問にも、専門知識を持ってお応えします。
  3. きめ細やかな対応
    • お客様のイメージをしっかり形にするため、丁寧かつ細やかな対応を心掛けています。
    • 専門的な印刷物についても、わかりやすくご説明いたします。
  4. お気軽にご相談ください
    • 「こんなこと聞いてもいいのかな?」と思うような些細なご質問も大歓迎です。
    • あなたの「あ、こんなこともできるんだ!」という驚きを、一緒に作り上げていきます。
お問い合わせはこちら

お気軽にお問い合わせください。

ご質問・ご相談を承ります。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら
検索
検索
ページの上部に戻る